見えてきたFacebookの事業戦略

February 5th, 2012

Facebookは、2012年2月1日に、新規株式公開 (IPO) のための申請書類を、証券取引委員会 (Securities and Exchange Commission) に提出した。この申請書類は、Registration Statementと呼ばれ、Facebookの業績や事業内容が詳細に記述されている。シリコンバレーはFacebookの大型IPOで活気付いているが、市場は何故Facebookを高く評価するのか。また、この評価は妥当なのか。Facebookの申請書類を読むと、その手掛かりが見えてくる。

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Facebookの業績は

申請書類でFacebookの業績が、初めて明らかになった。Facebookの2011年度の売上高は37億1100万ドルで、純利益は10億ドルである。前年度に比べ、それぞれ88%と65%の伸びを示している。Facebookの売り上げに占める広告売上高の割合は85%で、売り上げの殆どが広告収入である。Facebookの業績を、2004年にIPOを行なったGoogleと比較すると、その位置づけが良く分かる。上のグラフ (出展: VentureClef) は、両社の純利益を創業年から比較したもので、両社はよく似た軌跡を辿って成長している。但し、Facebookは9年目に、Googleは7年目にIPOを行なっており、IPO前年の業績を比較すると、Facebookが売上高で2.5倍、純利益で9.4倍とGoogleを上回っている。Facebookは事業構成が確立してからIPOを行なっている。また、2011年度のGoogleの純利益と比較すると、Facebookの純利益は1/10で、会社の規模としては、まだまだ小さい。

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しかし、Facebookの時価総額は1000億ドルになる、という評価もある。申請書類提出前までは、Facebookの株はプライベート・マーケットで取引されており、最新の時価総額は756億ドルである。これは、SharesPost (上のグラフィックス、出展:SharesPoint) という取引サービスでの評価額である。SharesPostは未公開株売買システムで、会員はこのサイトで未公開株の売り買いができる。SharesPostの数字は1000億ドルには届かないが、現実的な評価である。Googleが上場した際の時価総額は270億ドルで、Facebookの評価はその三倍程度となる。現在のGoogleの時価総額 (1939億ドル) と比較すると、約半分となる。

Facebookの事業構造は

Facebookは、Googleと比較しても、その企業価値が高く評価されている。市場はFacebookのどこに価値を見出しているのか、申請書類からその根拠を分析してみた。前述の通り、Facebook収入の殆どが広告事業からである。Facebookの広告は、よく知られているように、Sponsored Ads (下のグラフィックス、出展:Facebook) と呼ばれ、利用者のNews Feed右横に表示される。

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広告枠は、タイトル、商品概要、写真で構成され、タイトルをクリックすると、そのサイト又は企業広告ページ (Facebook Page) にリンクする。この広告は利用者の嗜好に沿って表示される。上の事例では、利用者であるSusan Liはスタンフォード大学卒業生であり、広告欄には同大学のクラブの広告が表示されている。現在Facebookの広告収入は、このSponsored Adsだけである。しかもこの広告は、パソコンのデスクトップだけに配信され、スマートフォンなどの携帯端末には広告は表示されていない。Facebookは今年初頭より、Sponsored Storiesという新形式の広告を開始した。これは、利用者のNews Feedに配信している広告メッセージを、有料で強化するものである。企業は無料で企業広告ページを開設でき、ここで商品のプロモーションを行なっている。利用者がこのページでLikeボタンを押すと、その企業の広告メッセージが、その利用者のNews Feedに配信される。下のグラフィックス (出展:VentureClef) がその事例で、Coca-Colaの企業広告ページでLikeボタンを押すと、「コカコーラ白熊と一緒にスーパーボールを観よう」という広告メッセージがNews Feedに配信される。この広告は引き続き無料で提供されるが、料金を支払えばSponsored Storiesという方式で、広告メッセージが目立つ形で利用者に配信される。具体的には、広告メッセージが優先的に表示されたり、表示回数が多くなり、利用者の目に留まる機会が増える。

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Facebookの将来性は

Facebookの売上高は利用者数に依存しており、売上げを増やすために、Facebookは機能を強化 (Timelineなど) して、新規利用者を獲得している。一方、世界のインターネット利用者数は20億人といわれており、Facebook利用者数は8.45億人で、残された部分はそれ程大きく無い。このためFacebookは、事業を拡大するために、単位利用者当たりの広告収入を増やすことを試みており、その第一弾が、Sponsored Storiesということになる。今までは無料で利用できた企業広告ページが、一部有料化され、Facebookの広告機能が有料化に向かっている。一方、全く事業化できていない領域がモバイルである。スマートフォンの小さな画面に広告バナーを表示することは、利用者の抵抗が大きい。このため、Sponsored Storiesを携帯端末に配信し、モバイル広告事業を開始するとの噂もある。携帯端末を中心に、広告事業未着手の分野が、Facebook成長のリスク要因となると同時に、これからの収入源となる。Facebookが市場から高く評価されている理由は、未着手の事業分野が広大で、今後大規模な収入が期待されるからである。

ソーシャル・メディアBig Data解析

January 27th, 2012

スマートフォンからTwitterやFacebookを利用する方式が定着し、位置情報を包含したソーシャル・メディアが大量に生成されている。モバイルとソーシャルが融合した領域で、Big Data解析の手法を用いて、ソーシャル・メディアをリアルタイムで解析する技術の開発が進んでいる。TwitterやFacebookへの投稿記事を解析し、これを販売店舗など、リアル社会で活用する事例が登場している。

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ソーシャル・メディア解析技術

大量に生成されるソーシャル・メディアをリアルタイムで解析する技術を開発している企業がDataSift (データシフト) である。DataSiftは、サンフランシスコを拠点に事業を展開しているベンチャー企業で、TwitterやFacebookへの投稿記事をリアルタイムで解析する機能を提供している。利用者は、自社製品や販売店が、ソーシャル・メディアでどのように評価されているのか、リアルタイムで把握することができる。DataSiftの利用法は様々で、企業が新製品を発表した際に、ソーシャル・メディアにおける製品評価について解析を行なうことができる。例えば、企業が「iPhone 4S」という製品を発表した際に、その製品に関するソーシャル・メディアの記事を検索し、リアルタイムで表示 (上のスクリーンショット、出展はいずれもVentureClef) する。記事左横のアイコンは情報ソースを示しており、この事例では、FacebookとTwitterから記事を抽出している。

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その下の「+」アイコンは、この記事の属性情報で、記事の指向や記事を投稿した人物のプロフィールなどを表示している。記事の指向では、記事の内容がポジティブかネガティブかが表示され、別のページにそれをグラフで表示する。上段のグラフがそれを示しており、オレンジ色のグラフで横軸 (時間軸) の上側がポジティブな度合いで、下側がネガティブな度合いを示している。折れ線グラフは記事の件数を示している。投稿者のプロフィールでは、性別やその人物のソーシャル・メディアでの影響度が表示される。影響度はKlout (クラウト) という企業の指標を利用しており、下段のオレンジ色のグラフがそれを示している。更に、記事の参照先URLや、別のページには、位置情報が表示される。

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解析結果をどう活用するか

DataSiftのサービスは、2011年11月から始まったばかりで、実際の適用事例はまだ報告されていないが、DataSiftは、このサービスを活用するヒントを示している。それによると、小売店舗がソーシャル・メディアで議論されている内容を抽出するために利用する方法を示している。実際にBank of Americaについて解析してみると、その結果は上のグラフの通りである。これは記事の指向を解析した結果で、Bank of Americaに対してネガティブな評価をしているコメントが多いのが分かる。これらの記事を読んでみると、Twitterの中で、Bank of Americaが嫌いと記述している人が多いのが目立つ。金融危機で公的資金を投入したことへの反発が多いことが読み取れる。

下のスクリーンショットはStarbucksについて解析した結果である。Twitterの中から、利用者がStarbucksに来店している記事を抽出し、地図上にマップしたものである。利用者は投稿記事の中に「I’m at Starbucks coffee」や「@ Starbucks」などと記載して、いま店舗に来ていることを発信している。これらの情報を収集することで、どの店舗が人気があるか把握することができる。この他にブランド評価では、AppleやDellがラップトップ製品に対する利用者の評判を把握するために利用できる。また、アメリカ大統領選挙では、共和党指名争いにおいて、候補者が議論される頻度を解析し、各候補者の人気度を推定できる。株価動向解析では、特定の銘柄に対して株価を変動させる事象を検出し、株式売買の判断材料とできる。

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考察

DataSiftは、有償と無償のサービスを提供している。有償版は一ヶ月1,000ドルから利用できる。無償版はDataSiftのウェブサイトから利用でき、同時に、広告が掲載される予定である。上述の事例はいずれもウェブサイトで、解析ストリームを作成・実行したものである。このサイトで専用言語 (Curated Stream Definition Language) を使って簡単なコーディング行い解析ストリームを作成し、実行する手順となる。DataSiftはTwitterとの協定でTwitterに投稿される全てのTweetを読み込むことが認められている。そのため、解析ソースの殆どがTwitterである。一日2億5千万件のTweetが生成されるが、DataSiftは、これらをストリーミングで入力し、Big Data解析を行なっている。DataSiftは投稿記事をキーワード検索するだけでなく、そこに含まれている情報を抽出し、それらを分かり易い形式で提供している。

ソーシャル・メディアと小売店舗

January 9th, 2012

世界最大規模の小売チェーンであるWalmart (ウォルマート) は、シリコンバレーに@WalmartLabsという研究所をオープン (下のスクリーンショット、活動を始めた@WalmartLabsのホームページ) した。研究所の使命は、大量に生成されるソーシャル・メディアを解析し、店舗での売り上げを伸ばし、消費者の動向を把握することである。

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Walmartの抱える問題

Walmartは1962年にSam Waltonにより創設された小売チェーンで、Bentonville (アーカンソー州) を拠点に事業を展開している。2011年度の売り上げ金額は4,218億ドルで、従業員数は210万人と、世界最大規模の小売チェーンである。Walmartは15カ国で、8,500店舗を運営している。米国においては4,400店舗を、WalmartやSam’s Clubのブランドで運営している。Walmartは、サンフランシスコ地区では、イーストベイを中心に店舗を展開している。Walmartは世界最大規模の小売チェーンであるものの、オンライン・ストアーでは、Amazon.comに大きく遅れを取っている。2010年度のオンライン・ストアーの売上高は、Amazon.comが340億ドルであるが、Walmartのオンライン・ストアーであるWalmart.comの売り上げは60億ドルである。Amazon.comは最新技術を駆使して売り上げを伸ばしているが、Walmartは技術トレンドに乗り遅れていることは否定できない。Walmartは商品販売において、先端技術を活用するために、2011年に、Mountain View (カリフォルニア州) に、@WalmartLabsという名称の研究拠点を構え、オンライン・ストアーに最新技術を取り入れようとしている。下の写真は@WalmartLabsが入居しているビル (出展:VentureClef) で、他にもRed Hatなどハイテク企業がオフィスを構えている。

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ソーシャル・メディアのリアルタイム解析

Walmartは、2011年4月に、Kosmix (コズミックス) というベンチャー企業を、3億ドルで買収し、@WalmartLabsに統合し、研究開発を開始した。従って、@WalmartLabsの組織基盤はKosmixから構成されている。@WalmartLabsの研究テーマは、Social Genome (ソーシャル・ジノム) と呼ばれている。Social Genomeとは、ソーシャル・メディアを収集し、リアルタイムで解析を行い、そこで抽出した情報を利用して、商品販売を促進しようというものである。大規模データをリアルタイムに解析する手法に、Kosmixの技術が使われている。

@WalmartLabsは、Social GenomeをTwitterに応用した事例を紹介している。Hannaという女性が、Twitterで「I love salt!」 (saltが好き!) というTweetを発信すると、@WalmartLabsはリアルタイムでこれを収集し、セマンティックな解析を行なう。その結果、@WalmartLabsは、HannaはAngelina Jolie主演の映画「Salt」が好きであると把握する。そして@WalmartLabsは、Hannaの友人であるJulianaに、Hannaの誕生日の贈り物の推奨リストをメールで送信する。推奨リストには、映画Saltに関する商品などが記載されている。Julianaは@WalmartLabsからの推奨リストを見て、Walmartで誕生日プレゼントを買い物をするという仕組みである。

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Social Genomeのシステム構成

この解析の背後で動いているのが、Social Genomeというシステムである。Social Genomeは、Twitter、Facebook、ブログなどのソーシャル・メディアをリアルタイムで収集・解析し、その結果を格納している、巨大なナレッジ・ベースである。Social Genome は、TwitterのTweetやFacebookのFeedなどを解析し、EntityとそのRelationshipを抽出 (上のグラフィックス、出展:@WalmartLabs) する。Entityとはソーシャル・メディアに含まれているオブジェクトで、人物、出来事、場所、製品、組織などである。Relationshipとは、これらオブジェクト間の関係である。

先の事例では、Social Genomeは、Hannaは人物であり、Saltは調味料や映画であることを把握する。Hannaは、しばしば映画に関するTweetを投稿しており、「I love salt!」のSaltは、映画を指していると結論付ける。Social Genomeは文章の意味を解し、情報を抽出し、機械学習を行なうなど、人工知能の技術を実装している。この処理を可能とするため、大規模なTaxonomy (オブジェクトを分類するための辞書) を構築している。

Big DataFast Data

Social Genomeは、リアルタイムで大規模データを処理するため、Fast DataとBig Dataの問題に対応している。Big Data解析は、Hadoopを並列で運用する方式が一般的であるが、リアルタイムのデータ解析には充分に対応できていない。そのため@WalmartLabsは、Fast Data解析のために、Muppet (マペット) という独自システムを開発した。Muppetは、クラスター上で、大規模データをリアルタイムで解析する機能を持っている。このMuppet上で、セマンティック解析アプリケーションが稼動する構成となっている。Social Genomeはプライバシーの問題を含んでいるので、利用者の了解の下に実施されるサービスである。Social Genomeのサービスは、開発が終わった段階から順次、Walmart.comで実装されている。Walmartは店舗においても、ソーシャル・メディア、位置情報、モバイルを活用した商品の拡販策を計画している。Walmartは旧体質な店舗から、ソーシャル・メディア時代の会社に脱皮を図ろうとしている。

iPhoneで注文するサンドイッチ

December 25th, 2011

2011年8月にSan Franciscoでハイテクなサンドイッチ・ショップが開店した。店の名前はThe Melt (ザ・メルト) で、メニューはグリルド・チーズ・サンドイッチだけである。現在はSan Francisco地区で4店舗がオープンしているが、今後五年間で全米500ヵ所に店舗を展開するとしている。

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Meltの概要と仕組み

Meltはウェブサイトでサンドイッチを注文し、クレジットカードで支払いを行ない、店舗に出向いてサンドイッチを受け取る仕組みである。ウェブサイトで注文が完了すると、iPhoneにQRコードが送信される。店舗内で、QRコードをリーダーにかざすと、調理が始まる。ウェブサイトで注文しても、いつも熱々のグリルド・チーズ・サンドイッチが食べられる仕組みである。上のスクリーンショット (出展はいずれもVentureClef) は、iPhoneでサンドイッチを注文している様子である。まずMeltのウェブサイトのメニューの中から、希望のサンドイッチを選ぶ (左側画面) 。メニューはグリルド・サンドイッチだけで、五種類のチーズから好みのものを選ぶ。単価はいずれも$5.75である。支払いはクレジットカードで行い、ウェブサイトで、氏名、カード番号、有効期限などを入力する。クレジットカードで決済が完了すると、ウェブサイトにQRコード (右側画面) が表示される。次に店舗 (下の写真、New Montgomery店) に出向き、iPhoneのブラウザーを開きQRコードを表示し、カウンターに備え付けてあるリーダーで読み取らせる。これで商品の発注が完了し、店舗スタッフはサンドイッチの調理を開始する。

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注文が完了すると、店舗奥に設置されている大型ディスプレーに、名前のイニシャル、商品名、作業状況が表示される。ディスプレーを見て、注文したサンドイッチが焼きあがると、カウンターでサンドイッチが乗ったトレイを受け取る。調理時間は約五分程度で、ちょっと固めのポテトチップスが付いてくる。The MeltはFlipビデオカメラ創業でである、Jonathan Kaplanが創業した企業である。アメリカの代表的なサンドイッチとハイテクを組み合わせたもので、大手ベンチャーキャピタルが後押しをしている。Meltはオンラインとオフラインを上手く組み合わせ、会計処理の合理化と、調理プロセスの最適化を行なっており、次世代のレストランの香りがする店舗である。上述のMeltはSan Francisco Museum of Modern Artの直ぐ近くにある。美術館を訪問した際に、館内の高くて混んでいるカフェでランチをする代わりに、チーズがとろけているMeltのサンドイッチがお勧めである。

カードレス・モバイル決済

December 25th, 2011

今年ベンチャー・キャピタルが注目した技術に、モバイル・ペイメントがある。モバイル・ペイメントとは、スマートフォンなど携帯端末で金融処理を行なうことを指す。また今年は、iPhoneやiPadでクレジット・カードの決済を行なうSquare (スクェアー) が、大きくブレークした年でもある。

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Squareの機能概要

Squareはサンフランシスコに拠点を置くベンチャー企業で、同名のSquareという金融サービスを開発している。Squareは、よく知られているように、iPhoneなどに専用のカードリーダを差し込んで、クレジットカードの決済を行なうアプリである。このサービスは2010年5月から始まり、今年に入り急速に普及が進み、今では一日の処理金額が400万ドルといわれている。Squareは、2011年5月に、RegisterとCard Case (上の画面、出展はいずれもVentureClef) という新サービスを投入した。Registerは店舗向けのサービスで、売り上げの会計処理をiPadで行なう。Card Caseは消費者向けのアプリで、クレジットカードを提示しないで会計ができる仕組みである。両者が対となってカードレス決済機能を提供する。消費者はiPhoneにCard Caseをダウンロードし、氏名、クレジットカード番号、暗証番号、写真などを登録しておく。次に、消費者は行きつけの店のカード (左側画面) を読み込んでおく。そして店舗に出向いて買い物をし、会計をする際に、Card Caseを起動し、登録している店舗カードにタッチする。画面右側は、J.J.’s Yogurtというヨーグルト・ショップで、店舗カードを起動したところである。次にMy Tabボタンにタッチするだけで、カードを提示しないで、会計ができる。

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上の写真はJ.J.’s Yogurtのマスターが、iPadに導入しているRegisterを使って会計している様子である。マスターはSquareを起動して、商品名や金額を入力する。次に、支払い方法の画面に進むと、顧客である宮本の氏名と顔写真が表示され、マスターは名前にタッチするだけで決済が完了する。会計処理が終了し、こちらのiPhoneからSquareサイトにログインすると、トランザクションの詳細を閲覧でき、確かに、$3.75の金額が引き落とされている。Card Caseでの決済では、このようにクレジットカードを出す必要がなく、iPhoneアプリを起動するだけで決済が完了し、スマートに買い物ができる。こちらのCard Caseと店舗のRegisterが交信して処理を行なう仕組みであるが、いとも簡単に処理が完了し、不思議な感じではある。カードをサイフから出すのと、iPhoneのCard Caseを起動するだけの違いであるが、アプリで買い物できる点がクールである。